乳酸菌生成エキスとは
『乳酸菌生成エキス』 とは
『乳酸菌生成エキス』は、長年の研究から完成された特許製法ー16種共棲培養特殊抽出法から得られる乳酸菌の発酵エキスです。
このエキスには、生きた乳酸菌ではなく、乳酸菌の分泌物(乳酸菌がつくりだしたエキス)と菌体物質(乳酸菌の細胞物質)が含まれています。
この乳酸菌生成エキスの製造方法は、通常の生菌の乳酸菌製剤のそれとは違う、大きな4つの特徴―①16種の乳酸菌(Fig.1)の共棲培養②豆乳培地③長期熟成④特殊抽出ーがあげられます(Fig.2)。
最近の研究から、豆乳培地で多種共棲培養すると、牛乳培地での単一種による通常培養よりも、乳酸菌の増殖密度が飛躍的に向上することがわかってきました(Fig.3)。その理由には、培地に含まれる糖類をはじめとする栄養素の違い、菌相互間の栄養素の再利用システム、種間競争の原理が働いていると考えられています。
また、抗菌機能性の面でも、混合培養の優良性が示唆されています。乳酸菌は、いわゆる有害菌の繁殖を抑制することが知られています。この抗菌効果について単種と16種乳酸菌培養の比較実験したところ、明らかに16種混合培養することで、大腸菌、黄色ブドウ球菌共に繁殖エリアが狭くなり(Fig.4)、乳酸菌による抗菌作用が増強されていることが解りました。
『乳酸菌生成エキス』は、単に乳酸菌単種のもつ機能性にとどまらず、乳酸菌の機能性をより引きだした乳酸菌素材だといえます。
『乳酸菌生成エキス』の成分と機能
『乳酸菌生成エキス』は、バイオジェニックスという乳酸菌素材としては新しい分野の機能性素材です。生きた乳酸菌(プロバイオティクス)とは、製造方法、成分、機能性が異なります(Fig.1)。
『乳酸菌生成エキス』には、乳酸菌の分泌物と菌体物質が含まれます。
分泌物は“なわばり物質”ともよばれ、自分以外の菌の増殖を抑制し(Fig.2)、逆に、善玉菌の増殖を促すものです。そのため、この分泌物を摂取すると、腸内に住んでいる善玉菌の増殖を活性化させ、腸内環境を理想的な状態に保ちます。
一方、菌体物質は、腸内免疫組織・パイエル板に作用し、パイエル板に存在する免疫細胞へ働きかけ、全身の免疫バランスを整える作用を起こします(Fig.3)。
大切なのは、『自分』独自の乳酸菌を育むこと
人のおなかの中には、腸内細菌が100〜500種類・約100兆個・1kg以上いますが、その種類やバランスの多様性などには、いまだ未解明なことが多くあります。
東京大学大学院の最新の研究では、日本人13人の腸内細菌をまるごと分析するために、遺伝子で解析した結果、一人一人異なっていることが判明しました。男性・女性という性別だけではなく、親子でも異なっていたのです。
また、特定の生きた菌を摂取しても、腸内に定着せずに通過菌となり、そのほとんどは1週間以内に便と一緒に排泄されているという報告もあります。
この2つのことから、それぞれ個人の腸内細菌のバランスを効果的に改善するには、生きた乳酸菌を大量に摂ることではなく、自分独自の乳酸菌を増やし、固有の腸内細菌バランスを保つことが大切といえます。
そのためには、バランスのよい食事とお腹の中にいる乳酸菌の働きを促す『乳酸菌生成エキス』の摂取が有効です。
医療における利用
現在の医療において『乳酸菌生成エキス』は、補完代替医療のツールとして、便秘や下痢、各種胃腸疾患、がんやアレルギー疾患、生活習慣病、歯科分野など多岐にわたる分野で利用されています。医学的なメカニズムはまだまだ研究段階ですが、腸内環境改善は様々な治療の土台となるため、ベースサプリメントとして活用され実績を上げています。
『乳酸菌生成エキス』の機能性には、大きくわけて①腸内細菌叢の改善と②免疫機能調整の2つがあります。
腸内細菌叢の改善は、便通改善に始まり、消化吸収・血液浄化、解毒作用の向上を促し、全身健康の基礎となります。
また、腸管には免疫系の要であるリンパ球の約60%が存在しており、腸管は『人体最大の免疫器官』といえます。『乳酸菌生成エキス』には、その腸管免疫細胞に働きかけ、全身の免疫バランスを整える作用があります。